まちこの部屋

聖なるあきらめ

Sくん、ありがとう①

自死遺族の方には、亡くなったお子さんのお友達が訪ねて来てくれたり、お花を贈ってくれたりする方々がいます。

私の次男は、そもそもが友人が少なく全ての物が処分されていたので次男の友達に彼が亡くなった連絡をする事が不可能でした。

でも私には絶対に連絡を取りたい次男の友人が一人いました。

彼はS君です。次男と中学校が一緒で、高校は次男は県立高校でしたが、S 君は誰もが知る東京の有名国立付属の高校に進学しました。

同じ中学校でしたが、クラスも別々、部活も違うのに「うまが合った」のでしょう。

高校生の時も、夏休みや冬休みには図書館で待ち合わせ。お互いに自習室で勉強して帰る(だから、おしゃべりとかするでもなくただ二人で黙々と机に向かう)間柄でした。

正に文字通りの学友。

行きたい大学も一緒でした。

修学旅行のお土産もやりとりして、私は本当に心から「二人とも同じ大学に受かりますように!」と願っていました。

しつこく言いますが、次男が受験の時に夫が引きこもり、泣く泣く次男は地元の家から通える国立大を受験せざるを得なくなりました。

彼のセンター試験の得点率からしたら、もう合格したようなものだったから、彼は受験の時から腑抜けのようになり、大学生活も全く期待していなかったようで、私は本当に悲しくて悲しくてなりませんでした。

私は大学の入学式に親が行くのは、あまりにも過保護な感覚があり(これは長男に対してもそうで、長男の入学式にも参加しませんでした)かつ彼が楽しくない顔も見たくないから、入学式は一人で行かせました。

私にとって一番嫌な入学式でした。

入学式から帰ってきた次男が自宅のドアを開けたとたん「お母さん、S がいた!Sと同じ大学だよ!」と大声で言った時の顔や仕草はいまだに忘れることができません。

長くなるから、また次回。

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