天道酬勤
ボーッと人を観察して、思いをめぐらす事が度々あります。
中でもよく考えるのは、駅で出たゴミを回収する人です。
駅で出た様々なゴミは、委託されたゴミ業者が指定された曜日に、駅から預かった鍵をあけ回収していきます。
私の最寄り駅は小さいので、駅のホームからその回収の様子がよく見えるのです。
回収する人は、体の大きな外国人の方です。
イスラム系のようにもみえるし、南米っぽくも見えます。とにかく金髪青い目ではなく、ウクライナの大統領っぽい感じですかね。
私は今の勤務先には、何と22年勤めています。亡くなった次男が4歳の頃に、働き始めました。
いつも土曜日の勤務の時に、駅のホームからその人が見えます。
彼を22年も見ていると、改めて外国から来てつらい事もあっただろうに頑張っているなぁって思います。
初めて見た時は、ぽっちゃりしたお兄ちゃんでした。今は髪も薄くなり、はげてしまい、おっさんになりました。
日本で結婚したんだろうか?子どもがいるとしたら、大きくなったんだろうな?なんて考えます。
そして、あっという間の22年だったと思うのです。
私の4人いた家族は2人になりました。
30代だった私は、孫がいるばあちゃんになりました。
あんなに急いで帰った自宅には、帰宅しても誰もいません。
そして、ごみ回収の人みたいに私は年をとった次男を見ることは、もうできないです。
論語の言葉に「天道酬勤」という言葉があります。
努力して頑張った人を天は見ている。そういう人には、天が褒美を下さるという意味だそうです。
雨の日も、寒い日も、暑い日も頑張ってきたゴミ回収の人に天からご褒美がありますようにと思いました。