エンバーミング
私は時々「本当は、次男はどこかで生きていて、スパイみたいな職業についていて、私の前には訳あって、出て来られないのではないか?」と、しょうもない考えをする時があります。
と、いうのも次男は失踪して、奇跡的に発見されて、数ヶ月ぶりに見た次男の顔が別人のように見えたからです。
確かに次男でした。DNA も一致しているし、あまり変化していなくて比較的きれいな顔だったし。
でも、人の顔って不思議です。
寝ていて目を閉じている時ですら、表情があります。
なのに、死者の顔って不思議です。
マスクかなんかかけたように、その人らしさがなくなってしまいます。
先日、新聞でエンバーミングの記事をみました。
きれいに保存して、特殊な方法で処理することにより、眠っているかのように復元できるそうです。
エンバーミングをしてもらった人のご家族は「ああ、おじいちゃんだ❗」と感動して、
死を受容できるそうです。
私の場合、そんな事をする余裕も情報も、時間もなく、早く火葬しなければならなかったから、「嘘だ」という気持ちのまま、お別れしたから受け入れられないのかもしれません。
コロナ禍になり、突然お亡くなりになったご家族、私のような逆縁の方もいるでしょう。
お別れができるよう尽力してくださる、エンバーマーの方、葬儀関係者の方、暑いのでご自愛下さい。
私は今年も、ゆっくり脳内で彼をエンバーミングしてあげたいと思います。