美容院
息子が亡くなってから美容院を変えました。
もう普通に家族の話をしたくないし、美容師さんに気を遣わせたくないからです。
新しく行った美容院は、お決まりのカルテみたいのを書かせられましたが、その中に「スタッフの対応への希望」の項目があり、
*スタッフとの会話を楽しみたい
*静かにゆっくり過ごしたいから、あまり
話しかけないでほしい
とあり、もちろん「静かに」の方を選びました。なかなか、快適で嬉しくなりました。
ところが、隣でやってもらっていたおばあちゃんが、「あの、トイレにいきたい...」と言いました。しかも、「ずっと座っていたから立てない」と両脇を二人の美容師さんに抱えられトイレに行きました。しかも、2回も。
その後、その美容院はカラーやパーマの人に
冷たいお茶かお水を出してくれて、おばあちゃんは飲んだとたんに、ひどくむせて美容師さんも背中をさすったり、声かけしたり大変そうでした。
これを書くと、誤解されるかもしれませんが
将来の自分を見ているようで、嫌になり
「早く息子のところに行きたい」と思いました。この悲しみを背負って、長生きして私は何をするんだろう?
女流作家とか芸術家なら「作品を作って、生き甲斐に!」とか考えられるのかもしれない。
でも、私は?
美容院のおばあちゃんみたいになっても、
悲しいまんまだ。
一人のまんま。
本当に長生きしたらどうしようと考えながら帰途につきました。