まちこの部屋

聖なるあきらめ

嵐ヶ丘

嵐ヶ丘……エミリー.ブロンテの小説の話ではありません。

渡辺美里の楽曲です。

私は何故か3月11日の日を迎えると、この曲が頭に浮かびます。

13年前の今日、関東も激しい揺れに襲われました。

長男は春休みで自宅にいたのですが、次男は中学校にいました。

近所の中学校ではなく、電車で乗り継いで1時間位かかる附属の中学校だったし、携帯も持っていなかったので本当に不安でした。

人はパニックや不安を感じると、頭に音楽がグルグル回るんだなと、この時知りました。

頭をリフレインしていたのは渡辺美里の「嵐ヶ丘」

♫嵐に打たれても僕にはいつでも君だけが大事♫

というフレーズ。

結局18時過ぎに歩いて帰って来ました。

学校を出た後だったから、歩いて帰るしかなかったと。

地震より何より、途中の京葉工業地帯のコンビナートの爆発の火柱と揺れが怖かったと。

彼の逞しさと、帰って来た喜びは今でも忘れられません。

私にとっては「嵐に打たれても、いつでも彼だけが大事」でした。

そんな彼も別の手段で、届かない世界に行ってしまいました。

今日は震災から13年目。

地上の時間

ナ.テジュさんという韓国の詩人が、大好きです。

春は気持ちがザワザワするので、この詩人の詩集を開くことが増えます。


地上の時間


地上のすべての時間は 

人を待ってはくれない


汽車も人も待ってはくれず

季節も花も人を待ってはくれず

ぼくの前に座って笑っている君も

ぼくを待ってくれないのは同じこと


どうしたものか?


より熱心に生きて

より熱心に愛するほかに


道はない

(ナ.テジュ詩集より)


華々しい季節がより気持ちを暗くする方々もいると思います。

もう自分の描く絵は、この先真っ黒の絵の具でしか塗れないんじゃないかと思える位、つらい気持ちの方もいると思います。

でも、元気になる事を慌てないで下さい。

いつか、違う色をのせてみようと思える日が来ます。

ゆっくりゆっくりお互いに生きていきましょう。

中尊寺展に行って来ました



上野で開催している中尊寺展に行って来ました。

高校の修学旅行は東北一周だったし、中尊寺や毛越寺も行きました。

しかし、何も覚えていない。

理由は、女子特有のくだらなさからです。

いざ中尊寺に着いたら、クラスの別のグループの女子がいちゃもんつけて来て(何かは覚えていない)「せっかく中尊寺来たのにぶち壊しだよ」とグループの仲間と悪口言っていて、過ぎてしまった‥‥‥ああ、若さとはいえくだらない。

「炎立つ」という小説と大河ドラマが好きだったので、この展覧会楽しみにしていました。

実際はガラス張りでこんなに中の仏様を見られないので、本当によかったです。

ただ、人多い!

コロナ禍の後、これだけは本当に嫌で人数制限してほしい位です。

中でも、私が感動したのは清衡公の棺です。

金箔がはげ、漆の後は残っていますが古びた木棺。

でも、妻子を殺され、戦に明け暮れた武将は極楽浄土を東北の地に残すべく、中尊寺を建立した。

そして眠りについた。

その木棺を見ながら、人の生き方、亡くなり方に思いを馳せました。

息子を亡くしてから、本当に仏様を見にいくのが私の癒やしになっています。

ぜひ、足をお運び下さい。