まちこの部屋

聖なるあきらめ

Sくん、ありがとう②

悲しい気持ちのまま、大学生になった次男でしたが、同じ大学を目指していたS君と偶然にも再開できました。

残念なことにS君は、第一志望のところが受からず後期の受験で次男と同じ大学になりました。

学科は違うし、残念でしたが次男もS君も「置かれた場所で一生懸命咲いてほしい」と強く願いました。

入学後は、次男も将棋のサークルに入ったり、新しい友人もできたりし、成績もそれなりでしたから、私は少しほっとしていました。

ただ大学2年位になると専門科目が入り、そこで勉強する意味や、将来に対する夢を失っていったのでしょう。

「S君、元気?」と聞いた時も「学科が違うから会うこともなくなったね。元気なんじゃないの?」とつれない返事をするようになりました。

次男が亡くなり、もうじき4回目の冬が来ます。10月位に、何故かふっとS君のことを思い出しました。順調に行っていたら、大学院を出て社会人になって半年だなと思ったのです。そして「次男が亡くなったことを伝えたい」と強烈に思いました。

私は平野啓一郎さんの「分人」という考え方が好きです。

二重人格とか八方美人ではなく、人は相手によって別の自分をさらけ出して生きるという考えです。だから、次男にも私の知らない分人はあったと思うし、亡くなった次男の分人を探し出して暴こうとは思いません。わざわざお線香をあげに来てほしいとも思いません。

ただS君には「長いこと、友達でいてくれてありがとう。つらいことがあってもどうかよい人生を送って下さい」これだけは伝えたかったのです。

FBで探してみたら、S君を見つけることができました。

messenger機能のところに、次男は3年前に亡くなったこと、感謝の気持ち、コロナに気をつけてほしい旨を書いて送りました。

いつか気づいてくれることを願って。そして、一月位たちました。ある日、S君からメッセージが届きました。

長くなるので、続きはまた。

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