まちこの部屋

聖なるあきらめ

好きな詩

高階杞一さんという詩人をご存知ですか?

私、すごく好きなんです。

今日は、しんみりと「蛍の光」という詩をご紹介したいと思います。


ビビアン.リーと

ロバート.テーラーの別れのシーンにも

この曲は

流れていたが

原曲はスコットランドの民謡で

久しき昔

というらしい

これが いつから卒業式のテーマソングに

なったかはともかくとして

この曲を歌って

ぼくも

小学校と中学校を出た


ほたるのひかり

まどのゆき

書よむつき日、かさねつつ

からは程遠い日々だったけど

この曲は誰にも分け隔てなく流れ

流されて

ぼくは


それから

何匹かの犬と

祖母と

何人かの身近な人と

死に別れ


女の子とも

(これは生きたまま)

幾度となく別れ

別れの数だけは一人前にこなしてきたが

あれ以来

そのどんな別れのシーンにも

もう

この曲は流れてこなかった


もちろん

ぼくはロバート.テーラーではなかったし

犬も祖母も恋人も

ビビアン.リーではなかったが


三月の こんな

陽気のいい日には

ふっとこの曲のことを思い出す


久しき昔

遠く、楽しかった日々


そして

君との長い月日の暮し

許し合ったり

憎み合ったり

あれやこれやあったけど

それもこれも

みんな水に流して

いつしか年もすぎのとを

あけてぞ けさは

わかれゆく

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