まちこの部屋

聖なるあきらめ

他人に「助けて」を言える勇気

ラジオの人生相談、結構好きです。

自分がこうなったら、どうしたらいいかの引き出しが増えそうで。

先日聴いていたのは、シングルマザーのお悩み。

飲食関係の仕事をしているが、労働条件がキツい。これから子どもにお金がかかるけど、給与が安くて不安。ただ人間関係はすごく良くて、経営者もいい人。

体もしんどいし、新しいところから内定ももらっているから後は辞めるだけ。

ただ自分が辞めたら、しわ寄せがすごいだろうから心配。新しいところが果たしていいところかどうかは分からない……どうしよう。という悩みでした。

その時にパーソナリティのウルヴェ京さんが言っていた言葉がすごく印象に残りました。

「あなたは、その新しい職場をどうやって見つけたの?」

「あの、ひとり親相談みたいなところに行ったら担当の人が『労働条件もよくて、体が楽なここはどうかしら?』と紹介してくれて、運良くスルスル内定が決まったんです。」

「人は苦しい時に『助けてほしい』と伝えられるのも立派な能力です。あなたはそれができている。素晴らしいです。これ、大切な事です。」と言っていました。


自分がすごく苦しくて、困っていた時に私は誰にも相談しなかった。

できなかった。

自分だけで解決しようとしていた。

人に「助けて」というのが恥ずかしかった。

でも、もしかしたらそういう能力がなかったのかもしれない。

困った時には、素直に誰かに頼ってみよう。

そんな気持ちになりました。

(結局、回答は「自分の体が大事。新しい職場の人間関係は分からないけど子どもの為なら、頑張れるはず。前の職場の人達が、あなたの生活費を出してくれるわけではない。転職しましょう」と言っていました。頑張ってほしいです)

嵐ヶ丘

嵐ヶ丘……エミリー.ブロンテの小説の話ではありません。

渡辺美里の楽曲です。

私は何故か3月11日の日を迎えると、この曲が頭に浮かびます。

13年前の今日、関東も激しい揺れに襲われました。

長男は春休みで自宅にいたのですが、次男は中学校にいました。

近所の中学校ではなく、電車で乗り継いで1時間位かかる附属の中学校だったし、携帯も持っていなかったので本当に不安でした。

人はパニックや不安を感じると、頭に音楽がグルグル回るんだなと、この時知りました。

頭をリフレインしていたのは渡辺美里の「嵐ヶ丘」

♫嵐に打たれても僕にはいつでも君だけが大事♫

というフレーズ。

結局18時過ぎに歩いて帰って来ました。

学校を出た後だったから、歩いて帰るしかなかったと。

地震より何より、途中の京葉工業地帯のコンビナートの爆発の火柱と揺れが怖かったと。

彼の逞しさと、帰って来た喜びは今でも忘れられません。

私にとっては「嵐に打たれても、いつでも彼だけが大事」でした。

そんな彼も別の手段で、届かない世界に行ってしまいました。

今日は震災から13年目。

地上の時間

ナ.テジュさんという韓国の詩人が、大好きです。

春は気持ちがザワザワするので、この詩人の詩集を開くことが増えます。


地上の時間


地上のすべての時間は 

人を待ってはくれない


汽車も人も待ってはくれず

季節も花も人を待ってはくれず

ぼくの前に座って笑っている君も

ぼくを待ってくれないのは同じこと


どうしたものか?


より熱心に生きて

より熱心に愛するほかに


道はない

(ナ.テジュ詩集より)


華々しい季節がより気持ちを暗くする方々もいると思います。

もう自分の描く絵は、この先真っ黒の絵の具でしか塗れないんじゃないかと思える位、つらい気持ちの方もいると思います。

でも、元気になる事を慌てないで下さい。

いつか、違う色をのせてみようと思える日が来ます。

ゆっくりゆっくりお互いに生きていきましょう。