まちこの部屋

聖なるあきらめ

火山に馳す

この場であまり書籍紹介しないのですが、あまりに良い本だったからご紹介します。

赤神諒さんの「火山に馳す」という本です。

江戸時代の天明の浅間山大噴火の事をベースに書かれた歴史小説です。

浅間山の噴火により、一つの村が壊滅的な被害を受けます。

それこそ、身内全員亡くした村人、助かったけど気がふれてしまった人、色々な事に絶望して死を選んだ人、仕事をなくしてしまった人、色々出てきます。

その中で御救普請(おすくいぶしん)の役人が村人を鼓舞して、再生を果たしていく話です。

ただのアツい物語ではなく、喪失と再生の物語です。

特に心を揺さぶられたのは、登場人物がみな弱いけれどゆっくりゆっくり立ち直っていく様です。

これは、年末から読み始めました。

折も折り能登の地震があっただけに苦しくなり、休み休み読みました。

被災された方は、すぐには開けない本です。

でもどの人にも読んでほしい一冊です。

泣きながら元気をもらいました。

山田太一ドラマ

脚本家の山田太一さんが年末にお亡くなりになりました。

私、実はあまり山田太一さんのドラマってあまり観た事なかったんです。

タイトル位は知っていて、大河ドラマの「獅子の時代」は観ていましたが山田さんの描きたかった意図は分からなかったんです。

お亡くなりになった後、クローズアップ現代でのインタビューを観て「これはもう一度観ておこう」と思った次第です。

山田さんは「『獅子の時代』では敗者の側から書きました。でもその後のテレビドラマで、驚く位敗者の側から書いたものって出てきませんね」みたいな事を言っておられました。

で、少しずつ山田太一ドラマをDVDで観ています。

山田さんは俳優の台詞にアドリブを一切許さず、脚本通りに演じる事を要求した脚本家です。

それ位「言葉の重み」を大切にされていたのでしょう。

「ありふれた奇跡」というドラマを観ていますが、その中で「取り返しのつかない事はいくつかあるよ。その後の人生を何とか生きていくしかないんだよね」と台詞に書かれています。

そう何とか生きていくしかないんですよね。優しい気持ちになれます。

また色々観てみたいと思っています。


男たちの旅路

期待しすぎているのかもしれない

私は韓国ドラマと韓国の詩集が好きです。

韓国ドラマの好きなところは「言葉の力が強い」ところです。

好きな台詞が出ると、ついついメモしてしまいます。

私は仕事にしても、対人関係にしても、何かにつけ「がっかり」してしまう人です。

つまり期待が大きいのかもしれません。

「ドクターズ 恋する気持ち」という韓国ドラマの中で「期待というのは、自分の基準に誰かを合わせようとする欲だ」とありました。

今でも、一人でいる時、淋しくなった時に

色々過去を思い出します。

人は誰かに対して、全く何も期待しない事はないでしょう。

もしゼロならば、それは赤の他人です。

道ですれ違う人に期待などしませんから。

ただ「しすぎる」事が自分を苦しめている気もします。

要はバランスですね。

50歳も半分過ぎたけど、上手に期待しながら生きていけるようになりたいです。