私は地域の「安全安心メール｣というものに登録しています。

これは、「この地域のどこどこに、不審な電話がかかってきたから、詐欺に注意してください｣とか「○○ショッピングセンターで、大量に包丁が万引きされました。注意してください｣とか「○○小の近くで女児にだけ声をかける人がいました｣など、地域密着型の注意情報がスマホに入ります。

その中でほぼ毎日入ってくるのが「お年寄りの行方不明情報｣です。

私は一年前にこれを見るのが、とても嫌でした。

次男が行方不明になって、気が狂いそうになっているのに、次男の事は注意喚起もしてくれない。80代や90代の方ばかり丁寧に、服装や持ち物や特徴を細かく書き、見つかるように宣伝してくれている。

うちの次男だって、未来もあるし、恐ろしい拉致などにあったかもしれないのに、「お年寄りばかりずるい｣と思ったからです。

結果的に、次男は自分の意思でいなくなり死を選んだのですが、あの行方不明のときほど

毎日が心配だった事はありません。

ようやく一年たち「行方不明情報｣を見られる余裕が出てきました。

未来があるとか、歳だからではなく、誰にとっても皆「大切な人｣なのです。

自分が気づいたら50を超えていたのと同じで、お年寄りだって好きで年寄りになったのではないのです。ようやく、そういう気持ちが出てきました。

今日も、不明者情報は入ってきます。

また、特殊詐欺も減りません。

そのうち仲間入りするお年寄りが、心穏やかに過ごせる社会になってほしいなと思います。