まちこの部屋

聖なるあきらめ

自分しか見えていない

私の勤務する個人クリニックの院長夫妻は、共に裕福なご家庭の出身です。

だから、がつがつしたところがなく、色々な事に余裕のあるお二人です。

悪気はないのですが、知らず知らずのうちに無神経な事を言ってイラッとさせてしまうのです。

奥様はたまにクリニックに顔を出します。先日、来られた時に「ねえ、日曜日も働いてらっしゃるなんて!そんなに大変なの?」とバーバリーのコートを羽織って聞かれても....(笑)

苦笑いしながら「アハハ!将来の老人ホーム代のために頑張ってます。休まないよう気をつけます。」と答えました。

でも心中は「あんたはいいよね。こどもの家庭教師代に月20万位使っているし、生まれてから働いたことないし、有名料理研究家の料理教室に東京まで通える身分だもん」と穏やかではありませんでした。

そして、先日その料理教室で習ったお菓子を焼いてスタッフに下さいました。「感想を聞かせて下さい。先生に感想は渡して下さい」との事。

しぶしぶスタッフとお世辞まみれの感想文を書いて渡しました。

後ほど、奥様から直筆のお手紙をちょうだいしました。

その中に「すごく大変な時があったのに、声もかけられず、慰めも言えなくて本当にごめんなさい」の一文がありました。

彼女なりに心を寄せてくれてはいたのですが、何と声を掛けてよいのやら分からなかったのでしょう。

自分が大変な時は、自分しか見えなくなります。

また、周りの優しさに気づかずにいます。

「この人は恵まれているから、私の気持ちなんて分かりっこない」と言う頑なな気持ちが、分からなくしていたのです。

院長も私が大変になってから時給を上げてくれたり、支えてくれていたのですし。

コロナ禍で、皆さん大変です。

大変ではない人はいません。

でも、自分ばっかと思うことを減らしていけたらと思います。

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