ハイジ
患者さんのスマホが診察中見えることが多々あります。(覗いているのではなく、最近はお薬手帳代わりにしている方が多いので)
結構いらっしゃるのが、待ち受け画面をお孫さんの写真にされている方です。
私も孫が生まれた時に会いにいったきりで、もうずっと会っていません。
よく他人には「会いたいでしょう?」と言われます。
もちろん会いたいし、かわいいです。贈り物などもします。
でも、少し違う感じなのです。とてもスマホの待ち受けやキーホルダーに孫を入れようとは思わないのです。
自分は冷たいのだろうか?
その疑問に答えてくれるものを先日見つけました。
シュピリの書いた「ハイジ」の一節です。
ハイジが町の暮らしに病んで、アルプスに戻ります。戻る事を提言した医師が、ハイジの様子を見にアルプスを訪れます。
子ども向けの本にはないのですが、この医師は最愛の身内を亡くし、心に傷を負っているのです。
ハイジが山を見せて感想を聞くと「いいかい、ハイジ。目の上に大きな影がかかっている人がここにいるとしよう。その人は影のせいで、まわりの美しいものが全然見えないんだ。そうしたら、その人は悲しくなるんじゃないかな?まわりが美しいからよけいに悲しいんだ。わかるかい?」と答えるのです。
私もまだ影があるのかもしれません。
ハイジの答えは「神様にゆだねましょう。神様は賢い君主。あなたを驚かせることもなさるでしょう」でした。
私はクリスチャンではないけれど、今は驚かされているのかもしれません。
いつかきれいな景色が見れて、孫にも愛情をもっと注げる日が来るのを待ちたいと思います。