聞きたい言葉
また卒業式、入学式の季節がやってきました。お子さんをお持ちの皆さん、おめでとうございます。
これからも、健やかで楽しい生活を送れますようにと願っております。
ただ、私自身はすごく切なく寂しい季節です。かなり不謹慎ですが、コロナでひっそりこじんまりになって、それはそれでいいのではないかと思う気持ちすらあります。
昨年、平野啓一郎さんの「空白をみたしなさい」という本を読みました。
これは、自殺した主人公が生き返って「復生者」としてよみがえって、自身の自殺の謎を探る、また人の生き死にに向き合う小説です。SFチックでもあり、哲学的でもあり、ミステリー要素もあり、平野さん大好き人間の私にはぴったりな小説でした。
自死遺族で、まだ気持ちが揺れている方は苦しくなるでしょうから、読める時までお待ち下さい。私も数年かけて開けるようになったので。
ちなみにこれは、6月にNHK でドラマ化されます。
で、この本を読んで「もし、生き返ったら次男の口から何を聞きたいだろう?」と考えました。
「お母さん、ごめんね」
「もう一度、がんばるね」
「お母さんの子に生まれて良かったよ」
全部、違う気がします。
私はただただ一言「お母さん、死ななきゃよかったよ」です。
これだけが聞きたいです。
3月11日 静かにこんな風に思いました。