まちこの部屋

聖なるあきらめ

先生のお嬢さん

私が今の土地に家を構えてから、23年になります。新興住宅街だったところは、当時、店や病院もまばらで、新しく開業したクリニックがかかりつけになりました。

こどもが小さい頃からお世話になり、今は私は高血圧と膠原病で、お世話になっています。

先日、訪れた時にドアを開けると若い女性の先生がいました。

「え?」とキョトンとしている私に「院長の娘です。水曜日の午後を担当させていただきます。よろしくお願いいたします」と爽やかに挨拶していただきました。

私の長男より、3歳位上だと知っていたので、34、5歳だと思います。

美人でにこやかで、てきぱきとしていて才色兼備という感じ。

左手には指輪が見えたから、ご結婚もされているのでしょう。

帰り道に「先生は幸せだなぁ。今、66歳位だから残りはスローに生きていくんだなぁ。息子さんは、大学のお医者さんだし、よかったなぁ」とほっこり歩いて帰りました。

でも、そこが私の黒いところです。

またまた、人と比べる病がムクムクと出てきました。

同じ位に、この土地に住みはじめてこの差はなんだ?

私だって一生懸命生きてきたし、先生はご苦労もされたけど、私みたいに子どもの学費に悩まされなかったんだよな?

今だって、ああやって医師の娘に支えてもらえる。私は次男の大きくなったところは、逆立ちしたって見られないのに。

娘さんが、結婚した時は娘さんも誇らしかっただろうな?父親がちゃんと地域医療に貢献していて、社会的にも認められる仕事だしな。

私なんか、あのクソみたいな旦那のせいで長男が結婚する時も「父親はひきこもりで、弟は自死しました。母はパートの掛け持ちです」は、つらかっただろうな。

だから、嫁さんの親に「結婚の支度金を用意できないような、だらしない親には会いたくない」なんてバカにされなきゃならなかったんだな····と、ひたすら惨め感が押し寄せ、泣いてしまいました。

悲観的な考え方は、自分への虐待だそうです。心の傷云々より、他人の幸せをもっと喜べる人になりたいです。

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