何で来たんだ
家の郵便受けに「運転免許更新のお知らせ」が入っていました。
次男のです。
新卒のスーツのDM やら諸々の郵便物が来なくなり、ほっとしていた時にこれか?って感じです。
次男は、自死する際アルバムやら自分の物やらありったけ処分してしまったのです。
だから、次男の死亡が確認された後
そこの警察に「車の免許証が見当たらないから、どこかに捨てたか私には知る由もない。悪用されても嫌だから免許証の停止をお願いします」と伝えました。今から考えると、それで済むはずもなく警察の方もどうでもいいことだからやらなかったのでしょう。
放っておくのか分からず、運転免許センターに電話をしました。
結果は「更新しなければ無効になるので放置してOK 」でした。
ただ、その程度の話なのにいちいち事情を説明しなければならないことが私にはつらいことでした。
彼が自動車学校に通っていた時は、私が一番経済的に苦しい時でした。
でも就職するにしても、男性だし免許は必要だろうから費用を捻出したのです。
でも、もういらなくなってしまいました。免許を持っていない私は、そのうち買い物に乗せてくれるのではないかなどと厚かましい夢を見ていました。
私の友人は「短かったけど一生懸命生きたことは認めてあげて。寿命だったのさ」と言います。
でも、体は健康で風邪一つひいたことのないあの子と「寿命」という言葉が結びつかないのです。
もう二度と免許更新のハガキは来ません。
そして、もう二度と彼は帰ってこないのです。