まちこの部屋

聖なるあきらめ

松本清張

私は父の影響もあり、作家の松本清張さんが大好きなんです。

本当にたくさんの清張作品を読んで来ました。

先生の作品が未だに映像化される度に「すごい作家だなぁ」と思います。

ただ次男を亡くしてから思うのは

「身内が失踪、自殺したことはないのだろう」と思っています。

作中のヒロインは、夫や身内が失踪し、自殺で発見される、そして独自に

捜査をし、真相を突き止める。

「やはり、殺されたのだ。自殺ではなかった」と納得するのです。

その間、アリバイ崩しや過去の所業が暴かれていきます。

サスペンスは非日常ですから、私も大いに楽しみました。

でも、実際次男が失踪した時は「無事だろうか?リンチみたいな目にあっていないだろうか?」と気になり、真相を探りにいくどころではありませんでした。

また、亡くなった後も悲しみが深く、

彼の過去を知りたいとも思いませんでした。

実際、彼は大学には一年以上行っていませんでした。

失踪して発覚しました。

大学側に「それで何故、3年生になれたのですか?おかしいじゃないですか!」と言ったとき「非常に優秀でしたからお母さんもご存知のように、2年生の初めに2年生分の単位はとっています。途中から留学生のクラスで過ごしていた位です。だから、3年生にはなれました。でも4年生にはなれません」と言われた時には外国の言葉を聞いているようでした。

ずっと家から「行ってきます」と家を出て行っていたのに。一年以上どこで何をしていたのか?誰といたのか?大学の講義は受けていなくても、大学自体にはいたのか?

未だに謎です。

でも、清張さんのヒロインみたいに調べる時間もお金も気力もない。何より怖くてできません。

何が出てくるのか恐ろしくて無理です。

素直でかわいい私の次男のまま、グレーなまま秘密を抱えて生きていきます。

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